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08/09/22 12:45:午後

 

不動産鑑定士の入村です。今回は、不動産の権利の中でも特に重要な「使用借権」「定期借地権」「借地権」の3つの違いについて解説します。

相続が発生した際、その土地がどの権利に基づいているかによって、評価額や扱いが大きく異なります。それぞれの特徴を整理しましたので、ぜひ参考にしてください。

目次

 

3つの権利の基本的な特徴

 

 

まずは、それぞれの権利がどのような場面で使われることが多いかを見ていきましょう。

 

 

使用借権(しようしゃっけん)

 

 

親子間でよく見られる形態です。例えば、親が持っている土地に子供が家を建てて住んでいるようなケースが典型的です。

 

 

定期借地権

 

 

契約期間が終われば借地権が終了するタイプです。住宅やロードサイドの商業施設、店舗などで設定されることが多い権利です。

 

 

借地権(普通借地権)

 

 

これには「旧法」の借地権と、現在の「借地借家法」に基づく借地権があります。非常に権利が強く、契約期間の定めについては法律や契約内容を確認する必要があります。

 

 

地代の支払いと存続期間

 

 

権利の性質を決める大きな要素として、地代(利用料)と期間があります。

 

 

  • 使用借権:基本的に無償(タダ)です。
  • 定期借地権・借地権:地代が発生します。

 

 

存続期間については、3つの権利ともにバラエティに富んでいますが、使用借権は返還期間を定めていない場合、使用収益(その目的での利用)が終了した時点で終わることになります。

 

定期借地権と借地権については、それぞれ定められた年数がありますので、契約内容をご確認ください。

 

相続の対象になるか?

 

 

ここが非常に多い質問であり、重要なポイントです。

 

 

使用借権の場合

 

 

基本的に相続の対象にはなりません

 

裁判などでは評価の対象になることもありますが、相続税評価においては使用借権は「価値がない(ゼロ)」という形で見ることが一般的です。

 

定期借地権・借地権の場合

 

 

これらは財産権として扱われるため、相続人が承継し、相続の対象となります。当然、不動産鑑定や税務上の評価額も発生します。

 

 

更新と譲渡・転貸について

 

 

契約期間が終わった後の扱いや、権利の売買についても違いがあります。

 

 

更新について

 

 

使用借権は合意があれば更新はあり得ますが、権利自体は弱いです。

 

定期借地権については、原則として更新はありません。ただし、実務上は「再契約」という形で新たに設定し直すケースはあります。

普通の借地権については、法定更新や合意更新があり、更新する力が非常に強いのが特徴です。

 

譲渡や転貸について

 

 

使用借権は人間関係(信頼関係)に基づく弱い権利であるため、基本的に転貸や譲渡は認められません。

 

一方、定期借地権や借地権は譲渡・転貸が可能ですが、借地権の場合は原則として地主の承諾が必要になります。

 

建物の取り壊しと権利の強さ

 

 

最後に、契約終了時の建物の扱いと、権利の強弱についてまとめます。

 

 

建物の取り壊し

 

 

 

  • 使用借権:借りていた人(借受人)が取り壊します。
  • 定期借地権:借地人が建物を取り壊し、更地にして返還します(建物買取請求権がないのが一般的)。
  • 借地権:借地借家法などで「建物買取請求権」の行使が認められています。

 

 

 

 

権利の強さ(価値の高さ)の順番

 

 

 

権利の強さや不動産としての価値の高さで並べると、以下のようになります。

 

1. 借地権(最も強い・価値が高い)
2. 定期借地権
3. 使用借権(最も弱い)

このように、土地の使用権といってもそれぞれの特徴がありますので、利用方法や将来の価値(評価額)を考える際の参考にしてください。

 

まとめ

 

 

使用借権は親子間で無償で使われることが多く、相続の対象にはなりません。一方で、借地権や定期借地権は地代が発生し、相続の対象となる強力な権利です。特に普通の借地権は更新や建物買取請求権が認められており、最も価値が高くなります。

 

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