路地状敷地の減価率と市場性(遺産分割のケース)
03/11/21 08:55:午後
▷本日のテーマと内容: 「路地状敷地の減価率と市場性(遺産分割のケース)」
不動産鑑定士の入村です。 私が過去に鑑定評価や意見を書いた不動産の実例をご紹介しております。 今回は路地状敷地の減価率と市場性というテーマでお話しさせて頂きたいと思います。
【目次】
00:00 ①路地状敷地の減価率の一般的考え方
01:49 ②市場の需給動向も減価率に影響することの検証
03:21 ご案内
①路地状敷地の減価率の一般的考え方
(スライド中の)区画2の土地をご覧頂きたいのですが4mの道路に面していまして、ほぼ長方形の形で接している土地です。こちらの土地の価値を100と考えて頂きたいと思います。
今回の争点だった部分ですが、区画1の土地が道路との間口が狭くて奥に広くなっていてL時型の土地になっています。この様な形状の敷地を路地部分と奥の宅地部分で路地状敷地と言いますが区画1は路地状敷地になります。 これも遺産分割の案件でしたが、区画2を100とした時に区画1の価値はどれ位になるか?という争点がありました。
通常ですが、土地の形の区画位置が悪いので形状(形状の制約による土地利用効率の低下)だけ見ますと100に対して80や75(の価値)での(経験側的な)求め方をするケースがあります。私の相手方はこの土地を(単純に)75と(価値)表示をしていました。ここで大切な数字の(裏付けにおいて)マーケットの取引を調べていなかったことがありました。
②市場の需給動向も減価率に影響することの検証 01:49
実際の土地は高級住宅地内の区画1と区画2の土地でした。高級住宅地になると供給に対して需要が圧倒的に多い市場性を見て減価(率の幅の把握)を考えなければならないと私は考えました。
そこで、この地域の周辺の(同じグレードの地域内の土地)取引事例を調べました。この区画2の様な土地に対してL時型の土地の形の悪い事例をたくさん集めました。
そこから、区画2の土地と区画1の土地の統計(整形な土地の価値に対する路地状敷地の土地の価値比率)を算出してみました。
区画2のような土地の100に対してこの地域は土地の形が悪くても欲しい需要者がたくさんいらっしゃいました。(75~80の悪いレベルでなく)悪くて90良くて100でも買う方がいらっしゃいました。 相手方はこちらの土地(区画B)の価値はない(減価率が大きい75~80)と主張したかったのですが、私の方はそんな事はないと判断、むしろ高級住宅地で需要が多いのだから、市場性を考慮すると価値は落ちても旺盛な需要を前提とした95や100でも買う方が多くいらっしゃるということを市場のデータを活用して主張したところ、私の意見が採用されたケースがありました。
不動産を査定する時には経験則からだけの画一的な数字(増減価率)だけではなくて、マーケット(市場)をきちんと分析すること(需給動向に増減価率がどのくらい影響を受けるのか)が大切であることがこの事例(ケースで)でわかると思います。
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