住宅地と住宅事業用地の土地単価差の争い(遺産分割評価から)

03/09/21 11:53:午前



▷本日のテーマと内容: 「住宅地と住宅事業用地の土地単価差(遺産分割評価から)」

不動産鑑定士の入村です。 鑑定評価の実際の例を交えて説明させて頂きたいと思います。こちらは遺産分割の案件の実例になります。

【目次】

 00:00​  ①実例の概要

 01:31​  ②住宅地(エンドユーザー向け)と住宅事業用地(開発業者向け)の土地単価差

    03:13  ③結論

 04:11  ご案内    

①実例の概要

  土地が区画1~3という形で3筆の土地があります。整形な区画2が115.46㎡の土地になります。3区画合わせると346.38㎡の少し大きな土地になります。(鑑定評価の対象不動産は3区画の面積を合わせる346.38㎡) (先に出された)相手方の鑑定評価書がありました。その鑑定評価書の内容を見ると区画2の土地価格115,46㎡(規模の)の取引(事例)から求めた土地単価に346.38㎡を乗じた総額を不動産鑑定評価額として採用していました(時価よりも高い評価になります)。

 ここでポイントになりますが、求める価格はこの区画1~3の合計の346.38㎡の土地の価値となります。区画2の115,46㎡の土地単価(水準に単純に)346㎡を乗じて(住宅事業用地価格の)総額として良いのか?という話になります。01:31

②住宅地(エンドユーザー向け)と住宅事業用地(開発業者向け)の土地単価差

  事業用地価格が(区画)1~3まで足した346㎡の土地は、通常一般の方が買う不動産(エンドユーザー向け住宅地)ではなくて、(資金力を有する)不動産業者や開発業者が主に需要層になる土地(開発住宅事業用地の適地)になっています。 不動産開発業者は346㎡の土地を区画割して造成して3区画に割ってから、割った土地を販売して事業を行います。

 スライドの数式を見て頂けるとわかりますが、事業用地価格よりもエンド土地単価が高いという式が成り立ちます。 区画2自体はエンドの土地となりますので、区画2はエンドの土地単価になりまして、区画1~3を合計した物が、事業用地の価値である事業用地の単価となります。 エンドの土地単価は、(事業用地の土地単価に)不動産開発業者が造成費用や自社の利潤や借り入れ金利等のコストを乗せて販売価格を決めます。 この1~3の合計の土地価格を求める際の土地単価につきましては、区画2の土地単価よりも(造成費用等の負担を減額する分)安くならなければ不自然になります。03:13

「区画2の土地単価(100)>区画1~3の合計の土地単価(80)」

 区画2の土地単価につきまして100とした時に、区画1~3の合計はこの時は80の(区画2よりも低い)単価水準でしたので各土地単価に差が生じることになります。

③結論

  相手方の鑑定評価書は、区画2の100の単価をそのまま346㎡を乗じることによって、総額を求めていました。明らかに需要者が異なる土地単価(80でなくて100)を採用する事によって、(遺産を多くもらい受けたいことから)高く評価額を上げようとする意図がありました。

 この裁判の結果は私が鑑定した区画1~3の合計の事業用地価格としての土地単価80×346㎡という結果で結審し、事業用地の価格はエンド土地単価と異なるという争いに終止符を打つことができました。

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